多数回繰返し載荷を受けるRC 造十字形柱梁接合部の構造性能に関する実験的研究(その3 破壊過程と破壊性状)

摘要

柱梁強度比が異なるC04_S 試験体とC05_S 試験体の破壊過程等を比較検討し，得られた知見を以下に示す。1) 両試験体は接合部せh断破壊が生じない設計であったが，梁曲げ降伏型の破壊を示した後に柱の曲げひび割れと接合部斜めひび割れが繋がり，正側載荷時に生じる接合部せh断力によって，本来ならば閉じるべき負側載荷時に生じていた柱の曲げひび割れが開く状態となった。それにより，接合部の破壊が急激に進展した。2) 柱の曲げひび割れと接合部斜めひび割れが繋がり急激に接合部の破壊が進展したこと，柱主筋，梁主筋，接合部横補強筋が降伏していたこと，接合部入力せh断力の急激な低下が生じていないことから，両試験体の最終破壊性状は接合部降伏破壊と考えられる。3) C05_S 試験体は柱主筋がR=1/100 で圧縮降伏し，R=1/30 で柱の鉛直変位が急激に増大しているため，固有ループの履歴面積が大きくなった。