広葉樹のめり込み性能に関する実験的研究

摘要

4 種の広葉樹について寸法パラメータを変化させ部分横圧縮試験を実施した。余長による効果は針葉樹を含めた既往の研究と同様の傾向を示したが、特性値の増加率について更に検討が必要である。木材のめり込み変形は降伏後も2 次剛性を有し、明確な破壊を生じることなく粘り強い挙動を示す。しかし、初期剛性や降伏耐力が低いため、木質構造接合部の変形の原因の大部分を占める。現在の木質構造建築物にはスギやヒノキといった針葉樹が用いられるが、平成13 年国交省告示に記載されている広葉樹は針葉樹に比べてめり込み強度が高く、このような広葉樹を有効に用いることで木材のめり込み変形を抑制し、木質構造接合部の性能向上が可能である。しかし、広葉樹のめり込み性能に関する研究は少なく、材長や材厚などの寸法形状のめり込み性能への影響は明らかにされていない。そこで、本研究では4 種の広葉樹を用い、材長と材厚をパラメータとして部分横圧縮試験を実施し、その影響を検討した。