パーソナルモビリティシティパーソナルモビリティと建築の複合

摘要

将来の話と思われていた自動車の完全自動運転が現実的な段階になってきている。自動運転車の普及は，社会に大きな変化をもたらすだろう。ビッグデータをAI によって処理することにより，自動車の完全自動運転技術が飛躍的に向上する。これにより，交通弱者である高齢者によるパーソナルモビリティ時代が到来すると考えられる。また江戸時代の海上交通から現代の陸上交通に移行したことにより街づくり，建築が激変したように，今後も交通システムの発展が建築の在り方を変えると予想される。更に自動車のエネルギー源が化石燃料から電気エネルギーに移行し，今後EV 化が更に進hでいけば，世界最高性能の蓄電池を多用な目的に利用可能となる。自動車のEV 化は未だ、従来の自動車の枠を抜け出ていないが，EV 化が進化してくれば自動制御システムも完全に組み込まれ，排気ガスやエンジン騒音がゼロになる。そうなれば自動車は道路を走るだけのものではなくなり，必要に応じて建築にもビルトインされていままで考えられなかった「車と建築の複合体」が出現することになるかもしれない。こうした背景からパーソナルモビリティがビルトインされた新しい建築の可能性を示し，建築物とパーソナルモビリティの複合体を提案する。