Felicitas 環境の構築 第2 報 生理人類学に基づく空気環境の「評価」

摘要

個人の体温調節機能を評価するために、5 人の被験者を対象に各室温（18°C、22°C、26°C）における皮膚血流量の測定を行った。その結果、環境温度の上昇に伴って、皮膚血流量が大きく増加するタイプ（タイプⅠ）と環境温度の変化に対して皮膚血流量にあまり変化が見られないタイプ（タイプⅡ）に分かれた。よって、皮膚血流量を測定することで、体温調節能力の個人差を評価できる可能性が示唆された。今後は、さらに温度範囲を広げて皮膚血流量の上限・下限の個人差を見ていく必要がある。また、今回は皮膚血流量のみで体温調節の評価を行ったが、将来的に皮膚温や心拍数などのパラメーターを増やし、計測を行っていく。その場合は、データが高次元になるため、二次元的なグラフによる評価は困難であると予測される。そのため、機械学習を取り入れた分析も進めていきたい。