建築教育における住居に関するテーマの一考察: 住居論を受講した学生が興味をもったテーマについて

摘要

多くの学生が「ユニバーサルデザイン」や「バリアフリー」といった福祉に興味を持つようになったことがわかった。普段何気なく過ごしている空間や使っている物が誰にでも使いやすく快適さを求めたものである発見や探求心が学生の興味を抱く要因になったと推察される。次に快適で安心であると信じていた住宅が害になる可能性がある「シックハウス」にも関心が高くなったことも把握した。身をもってその危険性を経験しており、改めてその原因や対策を知ることの重要性を認識した様子もうかがえた。そして、「インテリア空間と設計」の中でも空間と心理が関係していることを知り興味をもった者もいた。いずれも若干名ではあるが設計課題に活かしたいと思った学生もみられた。建築教育を学ぶ学生にとって、身近な住宅の様々なテーマの中でも受講前までの経験や体験が興味を持つきっかけとなっている様子が伺えた。また、今回の講義を通して初めて知ったテーマでなくても改めてその重要性や必要性を認識していた。