人工衛星運用文書の認知的観点に基づいた 文書構造に関する設計提案

摘要

人々の宇宙開発に対する期待は大きくなり，人工衛星を含め開発対象へ要求されるミッションは高度で複雑になってきている．その中で開発者・関係者間で情報を整理・共有することは開発上必要不可欠なことである．開発者間等の情報整理・共有はほとhどのものが紙面上あるいはデータ上で行ってきた．これらのドキュメントは多くの人が目を通して開発の基盤とするため，誰に対しても的確であり分かりやすい必要がある．従来の開発において，これらのドキュメントは開発者の経験と知識に基づいて作成されてきた．そのためドキュメントを理解するには作成者と同等の経験知識が必要であり，開発途中や運用から携わる関係者にとっては時間がかかってしまう．このことは現在の宇宙開発の現場において，次世代の開発者の育成や開発効率の弊害となっている．