住宅における床チャンバーを利用した空調に関する研究(その30)熱負荷シミュレーションによる大風量小温度差空調システムの吟味

摘要

前報では、本研究の主たる対象である「床チャンバーを利用した住宅の空調システム」（通称「YUCACO空調」）に対する1次エネルギー消費量の計算法の構築を目的として行った予備的な熱負荷シミュレーションについて報告した。しかしながら、シミュレーションの結果は、本空調システムではエアコン室の設定温度が熱負荷と室温に大きな影響を与えることを示しており、エアコンの設定温度と空調送風風量を合理的に決める手法を確定する（つまり本システムの設計法を確立する）ことが先行的な作業になることが分かった。