負荷変動と日射変動を考慮した仮想同期発電機モデル制御による周波数安定化効果の検討

摘要

近年，地球環境問題やエネルギーセキュリティの観点から，太陽光発電(Photovoltaic generation： PV)の系統への大量導入が進hでおり，資源エネルギー庁の試算では2030年におけるPVの導入容量は64GWと想定されている。しかし，PVは，インバータを介して系統と同期するように運転されるため，同期発電機(Synchronous Generator： SG)のような慣性を持たない。そのため，PVなどの分散型電源が大量導入され系統全体の慣性が低下すると，微小な外乱においても系統の安定運用が損なわれてしまう可能性がある。その対策として，仮想同期発電機(Virtual Synchronous Generator： VSG)が提案されている。VSGは，従来のPVに小容量の電力貯蔵装置を付加し，制御することで，同期発電機の慣性を模擬することが可能となる。そのため，系統全体の慣性の低下を補償することが出来ると考えられている。