TRPM2チャネルがインスリン分泌に与える影響の調査

摘要

本稿では，膵 細胞の膜電位の応答を表現したRiz らのモデルにTRPM2 電流を追加したモデルを提案し，TRPM2 チャネル活性化に伴う生理学実験の再現可能性を調査した．その結果，提案モデルでは，TRPM2 チャネル活性化に伴いバースト持続時間が延長することを確認した．このことはTRPM2 チャネルがインスリン分泌に寄与し，糖尿病治療に役立つ可能性を示唆するものである．なお，本研究の一部はJSPS 科研費(No.18K18125，16K16138, 15KT0112, 17K00348) の援助を受けて行われた．