メタンハイドレートの増進回収法におけるCO_2 と海水の利用の実用性向上に関する検討

摘要

メタンハイドレートの技術開発は，主に減圧による生産法が進められているが，経済性の向上のために増進回収法の研究も進められている．当研究所は，増進回収オプションとして，二酸化炭素(CO_2) を用いる方法を室内実験で検討し，小規模な実証試験を想定した実験結果に基づくCO_2 の注入装置を示している．この注入装置は，対象層の孔隙にCO_2 ハイドレートを均質に生成するため，CO_2 と水を微細混合してエマルションを注入する機能を持つ．このエマルションの生成に，黒潮域の水深数100m の15 °C以上の海水を利用すると，坑井閉塞回避のためのヒーターによる加温が不要となり，増進回収の経済性向上の可能性が示されたので報告する．