絵画鑑賞時の注視点分布と顕著性マップの比較

摘要

優れた絵画は人に感動をもたらすことができる. 絵画に込められた作者の想いを鑑賞者が感じ取ることができるからである. 作者は鑑賞者の視線をどのように誘導し, 見せたい部分に集中させるか工夫すると言われている. 人の注視点が集まりやすい場所を, 画像の特徴量から推定する計算モデルにより推定された注視の観測される確率を表す画像を顕著性マップと呼ばれている. 優れた絵画を鑑賞しているときの視線の動きには規則性があると仮定して, 視線と注視点分布のデータベースを構築することにより, 作者の意思と鑑賞者の視線について関係性を明らかにできるのではないかと考え, 注視点のデータベースの構築に取り組hでいる. ここでは, 作成したデータベースの注視点分布と顕著性マップを比較し, データベースの有用性について紹介する.