地質時代の異なる島尻層群の評価

摘要

島尻層群は沖縄本島，宮古島などの琉球列島で琉球石灰岩の下位に基盤岩として分布する新生代新第三紀の堆積岩である．主として半固結～固結泥岩からなり，間に砂岩，凝灰岩を挟hでいる．一般に橋梁基礎，擁壁基礎等の構造物の良質な支持層とされることが多いが，島尻層群の泥岩は岩盤としては比較的軟質である．また，空気や水と接触すると，スレーキングによる粘土化や吸水膨張による強度低下が生じやすく，耐水性の面から不安定な性質を示す一面もみられる．このような性質に加えて，図.1 に示すように島尻層群の中でも鮮新世～中新世と地質時代が大きく異なり，地域によって物理特性，強度特性に違いが生じることが指摘されている．