MBRにおける低有機物負荷運転が膜槽汚泥性状および微生物叢に及ぼす影響

摘要

本研究では低有機物負荷運転による膜ファウリング発生に及ぼす影響を確認するために，AO-MBR を0.003 kg-COD/m3/dayの低有機物負荷で運転し，膜槽汚泥性状等の分析を行った．低負荷運転に伴い， MLSS濃度が徐々に減少し，汚泥の自己分解が促された．低負荷運転開始約2週間でTMPの急激な上昇とFlux の低下が確認された．膜ファウリング発生時の膜槽汚泥はタンパク質および糖濃度の上昇が確認され，通常運転時に発生した膜ファウリングと同様であり，低負荷運転時においても通常時と同様の活性汚泥性状の変化であることが分かった 2)．また，膜分離槽汚泥上清と膜透過水の TOC 濃度に差が最大で 20.1 mg/L みられたことから，有機物の分解能力の低下が膜ファウリング発生に寄与したと推測された．