無道床橋りょう区間におけるレールスペーサーを使用したレール重軌条化工法

摘要

東京地下鉄では，本線のうち約30.0km を地上区間が占めており，振動・騒音の軽減や保守作業の省力化の観点から，複雑な線形や無道床橋りょうが介在する区間においても，ロングレール化に関する検討を進めている．東西線葛西駅・浦安駅間の江戸川第一橋りょうにおける既存の軌道構造は，無道床橋りょうの50N 定尺レール区間であるが，橋上用締結装置の組み合わせパターンを変更することで，60kg レールでのロングレール化が可能となる検討結果を得ている．しかし，従来工法で無道床橋りょう区間のレールを重軌条化するためには，部分的に60kgレール用の軌道材料に交換しながら，中継レール等を繰り返し使用して，複数回レール交換を行わなければならなかった．そこで，今回，レール底部幅の差による隙間を埋める部材を採用し，レール交換を行う前に工事範囲全体の軌道材料を60kg レール用に交換できるようにした．この部材の採用により，複数回要していたレール交換を1回の施工で行うことが可能となったため，無道床橋りょう区間での重軌条化工法について報告する．