鋳鉄床版モジュール-主桁間の接合部におけるテーパーつき高力ボルト摩擦接合継手のすべり係数および荷重分担率の検討

摘要

軽量かつ耐疲労性に優れた床版として，図-1 のような球状黒鉛鋳鉄(FCD)を用いた道路橋床版(以下，鋳鉄床版)が開発されている．鋳鉄床版は製作上の制約もあり，パネル状の鋳鉄床版モジュールと主桁間の接合部は高力ボルト摩擦接合にて支持部材を介して連結される．また，合成桁の床版取替えに使用されることも想定しているため，鋳鉄床版-主桁間における合成効果も期待されている．しかし，支持部材と連結する鋳鉄床版の接合部(リブ)には抜き勾配(約1°のテーパー)が存在し，すべり耐力の低下が懸念される．そのため，鋳鉄床版-主桁間におけるすべり係数が重要となる．