吸収分光法のCO2膨張波管気流温度計測への適用

摘要

膨張波管の二酸化炭素気流診断のために、レーザー吸収分光法を適用した．得られた吸収スペクトルをフォークト関数近似することでドップラー拡がりを評価し、並進温度を算出した．火星大気突入環境を模擬した試験条件において、試験気流の並進温度を2900±200Kと見積もった．この値は、熱化学平衡を仮定した計算結果の2100Kよりも高いが、その原因としては、第二隔膜での衝撃波反射などが考えられる．また、計測温度の時間履歴には、試験時間終了に伴う温度上昇も観測された．今後、観測波長領域を変えて、計測を重ね、より広範囲の膨張波管気流診断に適用していく予定である．