打音点検の打撃動作がコンクリート構造物の内部欠陥検知率に及ぼす影響

摘要

打音点検実務経験者と非実務経験者を被験者として，人工欠陥を埋設した模擬壁に対して打音試験を実施し，両者の欠陥検知率について検討した。実務経験者の欠陥検知率は非実務経験者に比べて高く，欠陥領域が大きく，また，表層部に位置する程，その傾向は顕著であった。打音点検動作測定試験結果から，肘および手首の関節角度変化量，グリップ力が欠陥検知率に影響を及ぼしていることが示唆された。また，実務経験者の打撃は非実務経験者に比べて打撃のバラツキが少なく，打撃面との接触時間が短いことが示唆された。