「環境適合超音速機実用研究会」設置について

摘要

世界初で唯一実用化された民間超音速旅客機(SuperSonic Transport: SST)であるコンコルドの技術的な問題とその後の退役を受け，燃費とソニックブーム低減などの諸問題を解決するための研究開発が盛hである．基盤技術の充実を受けて，米国ではNASA が有人実験機Low Boom Flight Demonstrator（第1 図）をLockheed に発注している．我が国においても2006 年に飛行実験を成功させたNEXST-1 （第 2 図），2011 年に大気球を用いて軸対称物体のブーム計測と体積分布最適化によるブーム低減効果実証に成功したD-SEND#1 プロジェクト，それに引き続き有翼モデルにより低ブーム機体設計概念を実証したD-SEND#2 プロジェクト （第3 図），ならびにそれらに関連した研究による基礎技術の蓄積があり，多くは国際的にも高い水準の論文集などに採録されている．また，国際民間航空機関（ICAO）では定量的なソニックブーム基準策定を行っているが，これには宇宙航空研究開発機構（JAXA）で実施されたD-SEND 計画で取得されたソニックブームの計測データも意見として取り入れられる予定である.