小型超音速機主翼模型のフラッタ試験と解析

摘要

JAXAが計画してきた超音速機研究開発において，風洞試験等により空力弾性特性の健全性についても検討が行われてきた．遷音速領域では，圧縮性に伴う揚力傾斜の増大に加えて翼面上に発生する衝撃波が，フラッタ発生動圧低下などの影響を及ぼす．超音速機翼では狭いMach 数領域で低い動圧まで不安定となる”chimney”と呼ばれる現象が報告されている．NEXST-2 や静粛超音速機のフラッタ模型においては低い動圧までリミットサイクル振動（LCO）を生じ，さらに動圧を上げると発散型のフラッタを生じることや，ごく狭いMach 数領域で不安定領域が落ち込むことなどが観測されている．これら超音速機翼のLCO，フラッタ特性を調べるため，別途模型を製作し風洞試験を行った．さらにCFD による解析を行い，これらを報告する．