指関節の三次元画像計測による手作業の評価手法

摘要

手先の器用さは経験や訓練だけでなく，脳機能における協調作業の連携と深く結びついている.近年 ではこの器用さを評価することで，協調動作に対する発達障害の存在を指摘する研究も行われており，成長に伴う 脳機能の発達状態を解明する上で手動作の詳細な測定が重要となっている.指先運動能，特に，器用さを評価する 上では時系列での指の運び，位置取り，力の入れ具合などを測定する必要があり，多視点ステレオによる三次元解 祈が有望視されている.しかしながら，手や指には目立った特徴点が多く存在せず，また，ボリュームデータとし ての手や指の動きを特定するには点群処理が複雑であり，リアルタイムに手動作を評価することが困難である.そ こで我々は，二方向のカメラから測定した手動作画像に対して深層学習を適用し，推定された指関節位置座標を対 応させることで高速に三次元位置を測定するシステムを開発した.本研究では，筆記状態での手指の三次元測定を 実施して，その実現可能14と精度について述べる.