塩素処理に伴う有機リン系殺虫剤の毒性変動 〜代謝を考慮したChE活性阻害試験法の構築と適用〜

摘要

現在の水道水質管理目標設定项目に登録されている有機リン系殺虫剤はコリンエステラーゼ(ChE)活性阻害性を有する。 この有機リン系殺虫剤は，凝集沈殿，砂ろ過によって除去すること が困難なため，塩素と接触し，ォキソン体やその他分解物が生成することが報告されている。このォキソン体もChE 活性阻害性を有 するため，原体に濃度換算し，水道水質管设定项目に組み込まれ ているが，その他分解物に関しては考慮されていない。そのため本 研究グループでは塩素処理後にォキソン体以外に毒性物質が存在 するかをChE活性阻によって調べてきた。しかしながら， 農薬が経口で毒性発現へ至る経路を考えると肝臓で代謝を受けた 後に毒性を発現するため,代謝により分解物から素性物質が生成す る可能性が考えられる。したがって本研究では代謝を考慮した ChE活性阻害試験を構築し，それを用いて塩素処理後にォキソン 体以外に毒性物質が存在するかを調べることを目的とした。