建設残岩からのフッ素溶出に関する長期的環境影響評価

摘要

建設工事等で発生する建設廃棄物は、積極的にリサ イクノレし、有効に利用することが望ましい。その対象は廃 材に限らず、インフラ工事等で発生する自然由来の岩石 ずりや汚泥も含まれ、人為的な混入がなくても、有害元素 の溶出が懸念されれば浄化処理もしくは二次利用時の浸 出管理が必要とされる。一方、土壌よりも緩やかな溶出の 見込まれる岩石においては、どの程度の環境影響がある のか、長期予測結果と短時間で実施されるバッチ試験に よる汚染対策必要性の判断との乖離があるのか検証が必 要とされる。 ここでは我が国でも汚染事例の多いフッ素含有岩を盛 土として利用した場合を想定し、長期的なフッ素溶出リス クについて、上載圧荷重下でのスレーキング効果を加味 した通水試験を実施した。さらに得られた現象に基づき、 数値解析を行い、長期的な環境影響の試算を視野に入 れた評価手法について検討した。