因子分析と非線形回帰を用いた脳波に基づく感性推定モデルの評価

摘要

近年，生体情報を用いた感性分類の研究が盛hに行われている。これは脳波に於いても同じである。古くは武者らの「感性スぺクトル解析法」などが挙げられる。しかし，これらの方法の多くは多極の脳波計を用いらなければならず，計測の際の被験者への負担や計測器の煩雑さなどから実用性に欠けると考えられる。一方で，伊藤，満倉らの論文では，単一チャンネルの脳波の分析において多変量解析の一つである因子分析を用いることで特徴量を抽出するという手法が研究されていた。また，心理学の分野において人の感性を直交する2軸で表現した「ラッセルの円環グラフ」(図1参照）というものがある。「覚醒-睡眠」の覚醒価，「快-不快」の感情価の2軸で構成されており，近年，感性推定の研究において注目されている。