液晶レンズ焦点距離の実効電圧制御

摘要

近年のディジタルカメラ技術において，スマートフォン，防犯カメラのみならず，さらには医療用カメラにおいても広角または拡大画像を撮影することが出来るものが報告されている.その中でも光学式ズームシステムは，画質が劣化するディジタル方式と比べてより鮮鋭で画質の高い画像を撮る際にアドバンテージをもつ.一般的な光学ズームレンズユニットでは，ある一定の範囲内で複数のレンズ群を機械的に動かし，画像の倍率変化と良好な結像の両者を実現している.これは，メカニカルな機構が必要であり，大きなスペースや駆動用エネルギーが必要になる不利点が存在することを示唆している.そこで，液晶レンズが注目を集めている.液晶レンズは，円形の電極を配置しそこに外部から交流電圧を印加ことにより液晶層の光の屈折率分布が変化し，レンズ効果を生み出すことが出来る.このように，液晶材料をレンズ材料として使用することで，外部からの印加電圧により焦点距離可変な凹凸レンズを実現することが出来る.これをズームレンズユニットに用いることで，小型化•省エネルギー化に有利なものづくりが期待される.