中小橋梁の点検におけるSfMによる3Dモデルの有効性検証

摘要

撮影マニュアルを検討した橋梁は，幅員が狭く桁下に空間があったが，本橋梁は橋長に対し幅員が大きいため，両側面の関連性を持たせることに苦慮すると思われたが，十分なラップ率を確保し，計画的に撮影することで，再現性の高い3Dモデルを作成できた.つまり，幅員が広い橋梁でも橋面及び桁下面を複数測線で撮影することで，手撮影のみで橋梁の3Dモデルを作成することが可能である.当3Dモデルには，0.2mm幅以上のひび割れを判読できる高解像度のテクスチャが貼付されており，3次元形状を把握しながらの損傷調査が容易となる，また，従来の点検では，目視調査のためスケッチにより損傷図を作成していたが，オルソ画像を用いることで，位置情報が明確になり，ひび割れの進展など経年比較も容易に把握できる.この3Dモデルを橋梁台帳に活用することで，効果的な維持管理が期待できる.ただ，現状では3Dモデルを作成後，そこから2次元データ（オルソ画像）に次元を落として損傷図を作成しているため，今後は3Dモデルから直接損傷図を作成し，全情報を3次元で一元管理できるシステムの研究?開発を行い，効率的な手法を確立させていく必要がある.