湖沼における濾過浄化機能を有する二枚貝イシガイの定着化による環境再生保全戦略

摘要

イシガイ科二枚貝は水中の懸濁有機物を餌として利用することで，大きな浄化能力を有することが知られており,湖沼の浄化に利用する試みが行われている。また，天然記念物ィタセンパラゃミヤコタナゴなどコィ科タナゴ類の産卵場所として利用されていることから,地域生態系保全において重要な役割を担っている。このように，イシガイ科二枚貝が定着することにより，濾過浄化機能や地域生態系の安定化に貢献すると考えられる。また，イシガイ類は生活史の中でグロキジゥム幼生が宿主魚に寄生する時期を経て成長することから，繁殖の時期には宿主魚が存在する必要がある。