MnS介在物を起点とした転動疲労き裂発生および成長の高輝度放射光ラミノグラフィによる4D観察

摘要

先行研究では，試験片板厚方向に硫化物系介在物（MnS）を配向させた場合における転動疲労き裂の発生·進展挙動の観察を行った．本研究では，転動疲労き裂の発生·進展挙動に及ぼす介在物配向の影響について検討を加えるため，伸長されたMnS介在物を転動面に対して平行かつ摺動方向に垂直な方向に配向させた試験片を作製し，その転動疲労き裂の発生·進展挙動の観察を行うこととした．なお，ラジアル軸受ではこのような介在物配向となることが多い．また，転動疲労寿命に及ぼす介在物形状の影響についても検討を加えた．