イオン液体を用いたガス分離プロセスの開発

摘要

イオン液体は低揮発性かつ難燃性で，CO_2 などの酸性ガスの吸収液として有望視されている．吸収法による脱炭酸は，分圧駆動の物理吸収と反応を伴う化学吸収の2 種類の方法がある．前者の物理吸収は高圧ガスから高濃度の CO_2 を圧力差を利用して分離回収するもので，後者の化学吸収は比較的低濃度域の CO_2 も対象とでき，低温で吸収分離した CO_2 を高温で回収するものである．現在，物理吸収の吸収液には Selexolや Rectisol などの分子性溶剤が，また，化学吸収にはモノエタノールアミン（MEA）などの水溶液が用いられているが，吸収液の損失や劣化，分離に掛かる消費エネルギーが大きいなどの課題が指摘されている．本研究では，イオン液体を用いた省エネルギーかつ環境調和型の CO_2 分離回収プロセスの開発について報告する．