分子量分画膜を用いた迅速·簡便な新規rRNA直接定量法による環境微生物群のマルチプレックス定量

摘要

生物学的廃水·廃棄物処理における微生物動態の把握はプロセスの維持管理·パフォーマンスの向上に有用な情報をもたらすことが期待されているが、実際の処理プ口セスの運転に活かされていないのが現状である。その理由の一つは、未だに迅速·簡便な微生物モニタリングツールがないことである。また、微生物群の指標としてrRNA遺伝子を用いることが多いが、微生物群の動態を把握するには疑似的に活性状態を評価できるrRNAを指標とする方が良い。rRNAをモニタリングする方法としては、RNAを逆転写して合成したcDNAをさらにPCRで増幅したものについて解析するqPCR法、DNA fingerprinting法、次世代シーケンス法などが用いられることが多い。しかしながら、これらの技術は逆転写及び PCR時にバイアスが掛かることが懸念され、また迅速·簡便さに欠けている。