~(15)Nトレーサー法と同位体比アナラィザーの併用による部分硝化リアクターの亜酸化窒素生成機構解明

摘要

窒素含有排水の窒素除去を省エネルギーで達成できる 部分硝化法は、従来の硝化·脱窒法よりも運転コストや余 剰汚泥発生量を削減できる。部分硝化はアンモニア酸化細 菌（AOB)および亜硝酸酸化細菌（NOB)の生理学的性質 の違いから、AOBの増殖に有利な環境（溶存酸素、pH、 温度）にてバイオリアクターを運転することによリ達成さ れる。しかし、亜硝酸が蓄積することにより、温室効果や オゾン層破壊能が高い亜酸化窒素（N_20)の生成が大幅に 増大することが問題視されている。また、排水処理施設 からのN_20の発生経路の詳細は未解明であり、生成の抑 制に向けた対策は喫緊の課題である。本研究では、特に N_20生成のトリガーとなる低溶存酸素（DO)濃度下での N_20生成経路の詳細を明らかにするために、~(15)Nトレーサ ー法と同位体比アナライザーを用いた。N_20生成の機構と して（1)2N0_2~-→N_20 、 (2) NH_2OH+NO_2~-→N_2O 、（3) 2NH_2OH→N_20の3つの経路に絞リ、部分硝化バイオリア クターからのN_20生成機構の解明を目指した。