顕微FTIRによる微小マイクロプラスチック自動分析手法の確立

摘要

マイクロプラスチック（MPs)の環境中の存在とその挙動に関する研究は環境科学の世界で最も注目を浴びている研究のーつと考えられる。特に、マイクロプラスチックの調査方法、分析方法の標準化、標準サンプルの開発は世界的にも精力的に進められつつある。しかし、従来の方法では100/im程度以下の微細なMPs(Finemicroplastics;以下FMPs)の精度の高い分析は不可能であった。その原因として、従来の分析方法ではMPs様粒子の粒子単位のピッキングやATRが必要であり、これらの作業は数多くの100μ m程度以下のFMPsの分析に対し、非現実的な時間と労力を要する。さらに、主観でMPs様物質を判断することによる見落とし、環境中粒子のスペクトルの判断の困難さも加わる。