はじめに

摘要

「量子と光」というキーワードですぐに連想するのは，1905年にアインシュタインが発表した「光量子仮説」です。この光量子仮説により光電効果の法則を見出し，アインシュタインは1921年のノーベル物理学賞を受賞しました。今年はそれから100年になります。アインシュタインのノーベル賞授賞決定は，実際には1922年11月で，1921年度の賞として扱われました。1922年度のノーベル物理学賞はボーアが受賞しています。これはその後の量子論の発展のための節目となる出来事でした。一方「神はサイコロを振らない」と量子論には最後まで疑問を投げかけていたアインシュタインですが，光を量子ととらえて光電効果をみごとに説明した業績は，量子論の発展に大きな影響を与えていると考えることができます。