既調合繊維補強ポリマーセメントモルタルの凍害劣化が引張性状 に及ぼす影響

摘要

コンクリート構造物における補修材として，ポリマーや短繊維を混入した繊維補強ポリマーセメントモルタノレ(FRPCM)が広く使用されている.本研究では，既調合FRPCMを対象とし，現場 を想定した水量の変動および養生温度が力学性状および耐凍害性に及ぼす影響を把握するとともに， 凍害劣化が既調合FRPCMの引張性能に及ぼす影響を確認した.その結果，水量の変動による力学 性状および耐凍害性への影響は小さいが，5°C養生では20°C養生に比べ圧縮強度が約10N/mm~2低下す る結果を得た.また，凍害で相対動弾性係数80%まで低下しても疑似ひずみ硬化挙動を示すが，相 対動弾性係数80%を下回るとひずみ軟化挙動を示し，繊維付着強度が低下することを確認した.