温泉地帯に位置する橋脚基礎に発生した隙間部へのひび割れ注入 工法による補修方法に関する実験的検討

摘要

温泉地域に建設された橋梁基礎部に隙間が発生したことから，側面支持力確保のため隙間部 を充填する必要があった.ただし，橋脚基礎の土中環境は100°Cを超えるような高温温泉環境で， 隙間部から蒸気が噴出している状況であった.このような特殊環境下でのひび割れ注入工法による 補修対策の事例はない.そこで，本検討では，高温温泉環境においてひび割れ注入する際の補修材 として，間隙充填用高流動モルタルおよび耐熱性に優れる地熱井セメントを用いた高流動ペースト を用いることとし，その適用可能性についての検討，ならびに現地での実証施工試験を行った.そ の結果，高温温泉環境下での補修対策として適切な材料を選定することができ，実証試験において 隙間部を注入できることが確認された.