本稿では,航空機・宇宙輸送機の動特性に含まれる時間遅れ要素に対処可能な姿勢制御システムを提案する.航空機・宇宙輸送機の動特性は,アクチュエータ特性やセンサ特性等によって,入力信号の時間遅れ(Input Time Delay)や,出力信号の時間遅れ(Output Time Delay)が存在する.これらの時間遅れ要素を無視した制御系の設計では,制御性能の劣化やシステムの不安定化を招きやすい.一方で,アクチュエータやセンサ特性を含めた詳細なモデルに基づく制御系の設計は,高次元化・煩雑化を招きやすく,一概に性能向上につながるとは限らない.
展开▼