飛行経路および高度拘束下における最適進入軌道

摘要

航空交通の需要の増大に伴い我が国でも航空交通システムの改革が求められ，現行の空域管理運用から軌道ベース運用の移行が検討されている．現行の空域管理運用では，予め定められた経路を航空機が運航し，分割された空域毎に担当する管制官の航空管制業務によって安全且つ円滑な航空交通が保持されている．しかし空港周辺の混雑空域では他の航空機の運航が干渉し，航空機の安全間隔を維持するための迂回や速度調整を行うため管制官の業務負荷が増大し，さらに到着時刻の遅延や出発機の待機が生起するため航空交通容量が飽和することが予想される．これに対し軌道ベース運用は空域全体を1 つの空間として捉え，出発から到着までの軌道を一体的に管理する運用方式であり，時間管理された運航によって航空機の密集が解消されるため，航空交通容量の拡大が期待できる．さらに主要な飛行方式となっているRNAV 航法がより高精度化し，経路設定の自由度が増すことが予想されるため，効率的な運航を目的とした飛行軌道の最適化に関する研究が盛hに行われている．