レーザー光散乱場によるナノ粒子のトラッピング：流れ場における特性評価

摘要

光拡散性物体によるレーザー散乱光のランダムな干渉により形成されるスペックルパターンは，レイ リー散乱粒子に対して光学力を及ぼすことが従来から知られている.著者らはこれまで，静水中にお いてブラウン運動するナノ粒子挙動の制御について，数値計算に基づきその特性を評価してきた.今 回，レーザー光散乱場の照明下にある流れ場におけるナノ粒子の移動軌跡を可視化し，主にスペックル サイズや放射照度をパラメータとして，その制御特性を評価した.また，半導体レーザーの有する量子 雑音に起因するSalt-and-pepper ノィズや光学系各部からの迷光に起因する干渉縞などの外乱が粒子の移 動軌跡に及ぼす影響を評価し，本手法の外乱に対するロバスト性について考察した.