太陽光発電の出力抑制率の時間変化が系統周波数に与える影響

摘要

太陽光発電システム(PVS)が非常に大量導入された状況では，電力需給パランス維持のため，定格出力に対して出力 を抑制した運転が要請される場合がある。その際，抑制され る出力をできる限り小さくするため，抑制量を時々刻々変 化させることが考えられる。これは，経済負荷配分制御(EDC)のように時々刻々の出力をPVSに指令することに 対応するが,非常に多数のPVSに対して数分単位で出力指 令値を送信することは困難な可能性がある。そこで，発電機 の起動停止計画（UC)に基づき，予め一定の時間間隔（例 えば30分単位）で出力を指令することが考えられる。しか し，欧州において電力市場の取引単位（30分間など）の変 化時に周波数が大きく変動する場合があるように，非常に 大量導入されたPVS出力の指令値を離散的に変化すると， 系統周波数に大きな影響を与える可能性がある。本論文で は，このような状況を想定し，PVS出力指令値の離散的な 変化が系統周波数に与える影響について検討した。