環状スキヤン方式を用いた路面状況測定システムの開発

摘要

2020年のパラリンピック開催を控え，わが国でもバリアフリー法を見直す動きが活発化している.そ れと同時に，歩道の劣化や補修不良などで車いす利用者が不便に感じたり，危険だと認識する箇所を把握して状況 を即座に計測?判断するシステムが望まれている.従来研究では一次元LRFを搭載した測定装置を移動しながら路 面の形状や段差，陥没穴を計測する方法が提案されている.しかし，従来研究は路面計測を移動しながら行うため， 車輪の位置によっては測定装置が傾いてしまう.そのため，バリアフリー法で定められているような微妙な傾斜角 度を計測することが困難であった.そこで我々は，一旦停止した状態で平面的なスキャンを行う機能を追加し，従 来の簡便性を損なわずに傾斜具合や路面状態の測定が可能な計測手法を提案する.実際に提案システムの構築を行 い，歩道や通路の危険箇所を3次元的に測定して，その性能を検証した.