PAGポリマー担持基材を用いた培養細胞単層の光切断•細分化プロセシング

摘要

ヒトiPS細胞の樹立により、同種·自家細胞のヒト への利用への道が開けたことをきっかけに、これらヒト由来細胞を用いた高精度の薬物スクリーニングや 疾病メカニズム解明が、近年盛hに検討されてきてい る。こうした目的に最適化されたモデル細胞系を 量産•標準化することへのニーズが急速に高まってい るが、それに応える上で重要となるのが、細胞の精密 プロセシングとその自動化である。しかしながら、 幹細胞及びそれらから派生する多くの培養系では、培 養細胞が互いにつながった状態で混在し、そのハンドリングを困難なものとしている。実際、ヒトのES細 胞やiPS細胞の未分化維持培養においては、コロニー 状に増殖した細胞を、アポトーシスを避けるために単 細胞にまでバラバラにせず、適度な大きさの細胞塊に まで細分化された状態で継代することが一般的であるが、その際、ピペッティングによる剪断応力の印加 や、ピンセットやローラーカッターを用いた切断など の手法が用いられる。このような「力ずく」とも言う べき物理操作は、酵素処理や培地交換といった液体の ハンドリングと異なり、自動化するのが困難であるた め、もっぱら操作者の手技に頼るのが現状である。さ らにこうした操作で生じるばらつきが、培養系を不均 一なものにしている。