iPhoneとApple Watchを用いた振動障害防止アプリケーションの開発

摘要

削岩機やチェーンソーといった動力工具は作業効率の向上や疲労の減少など数々のメリットがあるが、その振動が人体に長時間及ぶことで健康障害を引き起こすといったリスクもある.具体的な例としては，動力工具を長時間使用することで発症する「振動障害」が知られており，近年社会問題になっている.労働省によって「振動障害の治療指針」が公開されているように，発症してしまった場合は早期に発見し，初期に治療を行う必要があるが，現在根本的な治療法はない.そのため，振動障害にそもそもならないように予防することが最も重要と言える.作業者や現場監督自らが出来る振動障害の予防対策の方法として，国際標準化機構(ISO)より定められたガイドラインに沿って工具の使用時間を調整する方法がある.しかし，動カ工具は1から5秒程度で断続的な使用を繰り返すことが多いため，正確に工具の使用時間を計算することは困難である.つまり，工具の使用を検知して自動で時間を記録できるような装置が必要であると言える.