耐火断熱れhがのモデルを用いたファインセラミックスの熱伝導率の推定

摘要

温度制御は重化学工業において製品品質を決定する重要な要素の一つであり，ある媒体が熱を伝える際の物理量として熱伝導率が定義されている。この値が大きいほど熱が伝わりやすいことを表しており，測定対象物の熱伝導率はオフラインで取得することができる。しかし，オフラインで取得できる測温データに対して前述のパラメータの値を定められる温度範囲が規定されているため，この範囲外では制御対象のモデルが構築できない。さらに，制御対象の経年変化によって実際のパラメータ値が過去に取得したデータとは異なってしまい，結果として制御性能の劣化を招く可能性がある。したがって，制御性能を維持するためには制御対象のモデルに基づき各パラメータの値を推定できることが望ましい。具体的には，前述の温度範囲外でも制御対象のパラメータが推定できれば，性能の維持だけでなく，これまで知ることのできなかった制御対象のパラメータの動きも分かるようになると考えられる。このことは，予防安全を考慮した制御を可能にするためにも重要である。