列車運行計画の強靭性評価手法の開発

摘要

鉄道は列車運行計画(以下，ダイヤ)に基づいて運行される.日本においては，鉄道の定時性への要求が特に高く，列車の定時制に対する要望が強い.最近では，特に首都圏の多くの路線において，朝ラッシュ時に小規模の遅延が慢性的に発生することが問題となっており，これらに対して旅客からの不満が多い.そのため，鉄道会社では，ダイヤの調整，駅ホームの看視要員の増員，信号システムの改良など，様々な手立てをとって定時性の改善に努めている.また，研究面では，比較的頻繁に発生する小規模の遅延を念頭において，小規模な遅延がなるべく発生しないダイヤ，あるいはそれが発生してもなるべく利用者に迷惑をかけないダイヤを頑健(robust)なダイヤ，また，そのような性質を頑健性(robustness)と称し，頑健性の評価方法や，頑健なダイヤの作成方法などに関する研究成果が報告されている.