ハイブリッドアクチュエータを用いた高精度指向制御装置の開発

摘要

近年の天体や地球を観測する衛星や，衛星間で光通信をする衛星においては，ミッション機器（以降，ペイロードと呼ぶ）に高い指向精度が要求されることがある．一方で，姿勢制御用リアクションホイールなどの各種可動物が擾乱源となり，衛星の指向精度を劣化させる要因となる．一般的な擾乱源には，衛星の姿勢制御系や指向制御系の帯域と比較して，高い周波数成分を有するものが数多くある．このような高周波域の擾乱に対しては，衛星バスからの擾乱がペイロードに伝達しないように振動絶縁することが，衛星の指向精度を改善する最も効果的な手段となる．振動絶縁を実現する方法として，以下の4つがある[1]-[3]．