エポキシ含浸したYBCO薄膜線を用いたコイルのタエンチに伴う損傷

摘要

エポキシ含浸したコィルの特性劣化が起きた時のホットスポット温度とパラフィン含浸した時のコイルの特性劣化が起きた温度とその時の測定条件を図10にまとめた。短尺加熱試験より，銅層40μmの線材では500K近傍でIc劣化が始まる事が確認できた。従って，その温度を越えた場合，超電導コイルは熱的にダメージを受ける。ホットスポット温度530Kと540Kを記録した2個のパラフィン含浸コイルは熱的な要因に起因した損傷であると考察できる。一方，ホットスポット温度370Kと337Kを記録したェポキシ含浸コイルはどちらもホットスポット温度の限界温度以下であるにも関わらずコイル特性が劣化している。この2つのコイルにおいては熱的な要因以外による劣化であると推測され，上記したような機械的な要因であると考えられる。