むだ時間を含む1次遅れ系に対するサンプル値PID制御系設計

摘要

今日我々の生活は，多種多様な制御技術により造られた製品に支えられている.それらの製品は，制御技術の専門知識を持たない人であっても容易に扱えるものが多い.それを可能にしている理由の一つは，製品が人によって確実に制御できるように造られているからである.身近な家電製品や，人命を預かる乗り物や，工場で扱われるような大型機械などを考えると，それらを多くの人ができるだけ簡単に扱えるようになることで，より社会に貢献できることが分かる.つまり，現代社会において制御技術は重要な役割を担っているのである.世に数多く提案されている制御技術の中にPID制御法がある.この制御法は，制御系自体の構造が比較的単純である点，調整に必要なパラメータが少ない点，比例ゲイン•積分ゲイン•比例ゲインそれぞれの特性が認識しやすい点，技術者の経験を元に調整できる点などから，現在でも様々な産業分野にて用いられている.