事務所ビルを対象とするフロア稼働状況変動とエネルギー消費への影響

摘要

事務所ビル執務者の行動はエネルギー消費の特性を決定する重要な因子である。例えば、執務者が執務室に滞在している間は執務のためにPCなどの個人使用の機器が稼動する。執務者が使用する空間では調光、空気調和サービスが必要とされ、これらのサービスを提供する照明器具、空気調和設備が稼働する。これらの設備はサービスを提供する系統を単位として稼働の有無が決定される。例えばパッケージエアコンであれば一つの部屋や部屋の一部を対象として系統が区切られ、中央熱源方式であればダクト、空調機などはフロアやゾーニング、熱源システムは建物全体を一つの単位として系統が構成される。一つ一つの系統の規模はビルの平面の大きさといった建築仕様と、建築設備の種類によって異なる。このような性質を考慮すると、調光、空気調和サービスに使用されるエネルギー消費と執務者の利用状況との関係は、建築仕様、設備仕様と関連付けて理解することが重要である。