レーザーを用いたコンクリート剥離検知機器車両の開発

摘要

トンネルの覆ェコンクリート表面の一般的な検査方法として打音検査が用いられている.打音検査は簡易であるものの，技術者間で検査結果が異なる，高所停電作業を伴うため墜落，挟まれ·感電災害の危険があるといった課題がある.そのほかの実務的課題としては，鉄道トンネル覆ェの検査は，列車が運行していない時間帯において線路上を走行する保守用車を用いるため，現地到着までの時間を要し検査可能な時間が少ないこと，また専門の有資格者が必要となりその調整に苦慮すること，検査の実施には多大な時間を要することも挙げられる.そこで本研究では，保守用車を使用せず，高所停電作業を伴わずに，鉄道トンネル坑口付近から入坑することができ，遠隔·非接触でコンクリート表面の異音箇所を計測可能な非破壊検査法を開発した.開発した装置を用いて室内試験を実施し基本性能を確認した後，新幹線トンネル覆ェに適用した結果，コンクリート欠陥を精度良く把握できることを確認した.