群知能を利用した船型最適化手法に関する研究

摘要

群知能（Swarm Intelligence）とは，生物の群れの行動を模擬した様々な手法の総称である．魚や鳥の群れでは、各個体は単純な情報交換や判断により行動していると考えられるが，群れ全体では，高度な知能を持つかのように行動する．この様な群れの行動をモデル化し，最適化や制御に応用しようというものである．特に，群知能の一種である粒子群最適化（Particle swarm optimization，以降PSO と称す）1)は，実数値を扱うことが可能で，不連続な目的関数にも適応できる非線形最適化手法であり，様々な分野での成果が残されている2)．本論文では，PSO の探索性能向上を狙って改良を加えた最適化手法を提案する．また，提案した手法（以降modified-PSO と称す）を用いた関数最適値探索を行い，船型改良への適用で実績の多い実数値遺伝的アルゴリズムを用いた同様な探索結果と比較しながら，その特徴と性能を把握する．そして最後に，造波抵抗低減を目的とした船型改良に適用した結果を示し，提案した最適化手法の船型改良への適用への可能性を論ずる．