液相還元法による金ナノ粒子の合成と応用技術

摘要

本研究では，Brust 法と加熱処理，マイクロ流体デバイスを用いた2 種類の金ナノ粒子の粒子径制御法を検討した．Brust 法と加熱処理を用いた手法では，加熱時間を制御することで粒子径制御が可能なことが確認された．マイクロ流体デバイスを用いた手法では，試薬の流量を制御することで単分散金ナノ粒子が得られた．さらにBrust 法と加熱処理を用いて合成した粒子径の異なる4 種類の金ナノ粒子を分散させた高分子膜のレーザ加工特性を評価した．レーザ加工実験の結果より，金ナノ粒子分散高分子膜の加工深さは金ナノ粒子の吸収スペクトルのピーク半値幅に依存することが明らかとなった．また，加工深さはナノ粒子の加熱時間（粒子径）の増大により増加する傾向を示した．特に10 時間加熱した金ナノ粒子が分散した高分子膜では，走査速度100 mm/s 以上の加工条件において熱影響部の小さい明瞭な微細パターンが加工可能であった．